37栗田昻社長 そうした中、従業員の自由な発想を経営トップに提言する「成長戦略プロジェクト」が、同月から始まった。メンバーは中堅・若手の課長、営業所長クラスの17人で構成され、3グループに分かれて月2回のペースで議論を重ねた。6月の報告会では、一般部門の収益拡大策などを中心に当面の重要課題についての提言がなされ、これに基づいて関連部署が施策を検討、具体化していった。 2004(平成16)年3月には、事業分野を横断した案件の増加や、官公庁における新たな発注形態の導入といった受注環境の変化に対応するため、「営業戦略プロジェクト」が立ち上がった。プロジェクトは提案営業の推進などを検討し、その結果は2005(平成17)年度の各部の経営計画に反映された。 建設需要の低迷に伴う熾烈な受注獲得競争が繰り広げられる中、2005(平成17)年6月、栗田昻社長が就任した。 栗田社長は、当社が将来も成長し続ける企業になっていくための抜本的な収支改善策を検討するよう指示。社内では個別重点課題を中心に各部の取り組みを審議するトップヒアリングが行われ、具体的な行動計画に当たる「アクションプログラム」が2006(平成18)年12月に策定された。 プログラムは2007(平成19)年度から経営計画に反映され、毎年度の経営計画において実施状況や成果を評価したうえで、深掘りや軌道修正を行いながら進化、発展させていくことになった。特に受注拡大、原価低減、人材育成が重点事項として挙げられ、全社で継続的に取り組みを進めた。 2002(平成14)年5月、当社は、地域に密着した営業活動を一層推進するため、四国内の各支店に「お客さまセンター」を新設するとともに、各営業所に「お客さま担当」を配置した。主な業務は、リニューアル・メンテナンスや諸口工事を中心とする提案営業、当社施工物件のアフターケアなどだった。 2005(平成17)年3月には、本店営業部に「お客さま提案センター」を新設し、提案営業の全社的な推進方針の策定や各支店に対する指導などを行うことになった。各支店のお客さまセンターは「お客さま提案センター」に改称したうえで要員を強化した。 2000(平成12)年9月、国は「e-Japan構想」を発表し、全国的にIT化政策を展開するとともに、特に整備が遅れていた地方の情報化を推進する方針を打ち出した。 加えて、「平成の大合併」の進展によって地方自治体による地域情報基盤整備事業が活発に行われるようになり、情報通信ネットワークに関連する工事の大幅な増加が見込まれた。 そのため当社は、営業力と施工力の強化、要員の有効活用、お客さまニーズへの機動的な対応を図るため、2003(平成15)年3月に事業開発本部の「ネットワーク技術部」と配電通信部の「通信工事課」、そして「情報システム室」を統合し、「情報通信本部」を新設した。同本部の傘下に「情報通信部」と「情報システム室」(2007(平成19)年3月、情報化推進室として管理部門に移管)を設置し、支店に「情報通信センター」を置いた。 さらに、システム技術分野の拡大傾向を受けて、2007(平成19)年3月、情報通信部内の「システム技術課」を「システム技術部」に昇格させた。 同本部は、地域情報化の波に乗り、また地上デジタルテレビ放送への移行に伴う関連業務の活況を受けて、2011(平成23)年度に過去最高の売上高63億円を達成した。2つのプロジェクトが始動アクションプログラムの策定「お客さまセンター」の設置情報通信本部の設置
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