第2節 再び1,000億円企業を目指して57コロナ禍の中で行われた2021年度入社式 2023(令和5)年5月8日には、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが、2類相当から5類(季節性インフルエンザと同様)に引き下げられた。これに伴い、同日、対策本部は解散した。 2020(令和2)年4月、当社は役員報酬制度を見直し、「譲渡制限付株式報酬制度」を導入することを取締役会で決めた。 この制度は、社外取締役を除く取締役(以下、対象取締役)が、株価変動のメリットとリスクを株主と共有することで、株価上昇と企業価値向上に貢献する意欲を高める狙いで、対象取締役に対して譲渡制限付株式を割り当てるものである。譲渡制限付株式報酬制度に関する議案は、同年6月の定時株主総会で可決された。 2021(令和3)年3月、現場代理人の特別職等級への昇進・昇格を促進する「複線型人事制度」を整備した。 新制度では、特別職の技術職群(技師長/技術長)を「統括技術職群」とし、施工現場全体のマネジメントと後進の指導・育成を担うという役割を明確化し、管理職群とは異なる昇進基準を適用した。また、職位名を「部長技師」「課長技師」と改め、モチベーションと責任感の一層の喚起を図った。 『中期経営指針2020』策定以降、当社グループでは戦略的な営業展開や原価管理の強化、成長投資枠を活用した収益基盤の拡充などに取り組んだ。特に、配電部門が厳しい状況に置かれる中、一般部門が一致団結して事業活動に邁進した。 その結果、2017(平成29)年度からは毎期増収増益基調で推移した。さらに、目標年度である2020(令和2)年度は、売上高が896億29百万円、営業利益が50億89百万円、ROEが7.5%に伸び、指針に掲げた業績目標を大きく上回った。当初は実現困難と見る向きも社内にあった中期目標だったが、達成したことにより多くの従業員が自信を深めた。 ただ、当社を取り巻く事業環境は依然として不透明であり、持続的な成長を遂げるためには、従来の取り組みを継続・深掘りするとともに、新たな目線に立って収益基盤の拡大や生産性の向上を推し進める必要があった。 また、当社の成長を社会やステークホルダーの便益と結びつけ、長期にわたって成長し続けるためには、環境や社会に配慮した事業活動を展開するとともに、株主への利益還元を一層充実させていくことも重視された。 そこで2021(令和3)年7月、当社は『中期経営指針2025』を策定して、今後5年間における経営の方向性を示し、将来の成長に向けた決意表明とした。その中で、2025(令和7)年度に向けた「共通目標」を「チャレンジ、次なる成長ステージへ」とし、次ページの基本スタンスのもと、事業活動を展開することを定めた。 そして、5年間で取り組むべき重点課題として、①総合設備企業としての多面的な収益力の強化、②広域的な事業展開の拡充、③ライフラインの信頼性確保のための事業基盤の維持、④四電工グループとしての総合力の発揮、⑤環境・社会の持続性確保に譲渡制限付株式報酬制度を導入複線型人事制度の整備『中期経営指針2025』の策定
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