四電工60年のあゆみ
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68現場で活躍するドローン 建設部は架空送電線・地中送電線の設計、建設、保守、修繕を主たる業務とし、携帯電話基地局工事などの周辺工事も手掛けてきた。 四国で基幹送電線工事が完了し、受注環境が厳しさを増す中、近年は、再生可能エネルギー発電設備の連系工事や、地中線ケーブル工事にも注力し、売り上げは徐々に回復しつつある。今後は中堅・若手の現場代理人や架線電工の育成に励み、技術継承を進めていくことで、電力安定供給の一翼を担う当社の責務を果たしていく。 当部では、2016(平成28)年度からドローンによるロープ延線を試験的に開始した。 2018(平成30)年度からは、各建設所の従業員がドローンの技能講習を受講し、延線専用機「延助(ノビスケ)」を導入して本格使用に踏み切った。また、撮影用としては小型機「Mavic(マビック)2」を採用した。 2020(令和2)年8月からは、物品の運搬作業にドローンを使い始めた。山間部の車両や運搬車が入れない場所では、資機材の人力運搬を余儀なくされており、作業員の負担が大きかったためである。 新たに投入したのは、最大運搬重量10.4kgの大型機「延助Ⅲ」である。約1時間の歩行を要する鉄塔塗装の現場で、合計で約400kgの塗料と工具を49回運搬したところ、安定した飛行が確認された。塗装作業員からの評価も高かった。 ただし、この重量では運搬できる物品が限られ、現場からは「もっと重いものを運べる機種も導入してほしい」との要望が寄せられた。これを受け、2023(令和5)年4月、最大25kgを搭載できるドローン「森飛(MORITO)25」を配備した。 現在、ドローンの配備状況は撮影用11台、延線用・延線兼運搬用・運搬用各1台の計14台となっている。 なお、ドローンの操縦に関しては、2022(令和4)年12月、特定の飛行空域や飛行方法では国家資格が必要となる新制度がスタート。当部では2023(令和5)年度内に16人が取得する予定である。 2018(平成30)年3月、四国電力の地中線ケーブル工事の発注方法が「材工分離」に変更された。それまで当部はケーブルメーカーの下請に入る形で工事を担当していたが、これを機に元請参入を「新たな挑戦」として重点目標に掲げ、積極的な営業活動を展開した。 要員育成に関しては、2018(平成30)年度から中央建設所環境土木課の地中線工事専従者が四国電力のセミナーに参加するなどして、技能のさらなる向上に努めた。 また、施工管理能力の向上を図るため、同年度下期から約6カ月間、管理要員がケーブルメーカーに出向し、現場代理人の補佐役として現場に赴き、知識やノウハウを習得した。 施工体制に関しては、ケーブルメーカーの下請としての実績も豊富な、以前から地中線保守を担ってきた協力企業との関係を強化した。同社はケーブル工事の主要機材であるケーブル巻取車を他社から借用している状況だったため、使用頻度や保有効果、維持管理費などを総合的に判断し、当社でケーブル巻取車を購入することとなった。 2019(平成31)年3月、環境土木課を「地中線土木課」に名称変更。同年8月、初の元請工事と撮影・延線・運搬にドローンを活用地中線ケーブル工事への元請参入建設部

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